イギリスのEU離脱について。
2016年7月1日更新
こんにちは!毎度ながら、不定期な投稿になります・・汗。
今回は、いきなり世界情勢の「不安定要素」となったイギリスのEU離脱について、私見を述べたいと思います。
イギリスのEU離脱については、当初、その可能性について「まさか、そんなことはあるまい!」と世界中が思っていたはずです。
しかしながら、投票によって決することに「まさか」などという言葉がいかに「不適当」なものか、改めて思い知らされた『教訓』となりました。
投票の結果、「離脱」との結論に至ったあと、主に「経済」についての影響が論じられていますが、それ以上に考えなければならない大きな「問題」が発生しました。
それは、「イギリス国家の解体」です。
「イギリス」という国家は、元を正せば現在でも「連合国家」であり、4つの国がまとまって形成された「国」でありました。
しかし、今回の結果を受けて、それぞれの「国」が連合を組むことにメリットを感じることが出来ず、連合を解体する方向(各々が独立する)で動き出しています。
イギリスは今、「国際連合」(国連)において、安全保障理事会(アメリカ・イギリス・フランス・中国・ロシア、略して「安保理」)のメンバーであり、世界秩序の最終決定権を持つ、重要な国家の一つなのです。
その「イギリス」という国家が解体され、分裂したと仮定したら、国連に加盟する国々が、イギリスの「安保理」構成国としての『資格』を認めるでしょうか?
万が一、今回の件でイギリスが安保理からも「離脱」することがあるとすれば、世界の「パワーバランス」が大きく
崩れることになり、終息に向かいつつある「イスラム国」問題以上の、大きな波乱要因となることは必至です。
現在の世界情勢を考えると、「中国」「ロシア」の“拡張主義”(自国の領土、勢力圏を広げようとすること)は明白です。
安保理を構成する5か国は、第二次世界大戦における「戦勝国」であり、それが現在まで継続されていることについての疑義はさておき、冷戦時においては「西側(アメリカ・イギリス・フランス)」と、「東側(中国・ロシア:旧“ソ連”)」に分かれて、西側の意思が有利に反映されてきたのです。
しかしながら、この5か国からイギリスがいなくなれば、中国やロシアの“暴走”を止める役割を国連が担うことは、ほぼ『不可能』となるでしょう。
私は、そのことによる未来への「影響」が、心配でなりません・・・。
『世界史』を勉強したことがある人たちは、イギリスがかつて「日の沈まない国」として、世界に君臨したことはご存知かと思います。
しかし、今回の投票で最も大きな影響を与えたのは、世界中からイギリスに流入する「移民」の問題でした。
その昔、世界中に「植民地」を作り、世界中の人々を抑圧して、そこから獲得した“富”を集めて影響力を行使した『イギリス』という国家が、21世紀になって、「理想国家、イギリス」を目指して入国した人々を許容することが出来ずに、4つの“小国”に解体する危機を迎えているという『皮肉』を、イギリスの人々がどのように感じているのか、聞いてみたい気分です。
誤解を恐れずあえて言えば、「独立したい!」と主張するイギリス連合を構成する各“国家”も、その歴史において、「イギリス」であったことにより得た利益は、充分にあったのではないですか?と。
いま、自分たちが「間違った」方向に進もうとしているのであれば、今からでも全力を尽くして「正しい」方向に舵を切りなおす努力をすべきではないか、と、心から願って止みません。
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